洗髪の歴史雑学

洗髪の歴史雑学

洗髪は、宗教的な意味合いを持つ「沐浴」と言われる「髪や体を水で洗い清め、けがれを除く清浄儀礼の一種」としてその歴史が始まりました。
百済から仏教が伝来(538年または552年)すると、仏教に仕える人を洗い清める目的で寺院に浴堂が設けられ、水ではなく湯を使うようになります。
奈良時代に入ると、上流階級の女性たちは綿に丁字の油を含ませたものを油壺に入れておいて、それを髪につけていたといわれます。

 

平安時代には、女性は髪が長ければ長いほど美人とされていましたから、椿油や米のとぎ汁を櫛につけて毎日髪の手入れをしていました。また、髪の臭い取り除くために、寝るときには「香まくら」を用いたり香を炊いた小型香炉を箱形枕の中に入れたりして髪に香りをしみこませていました。なお、現在では信じられないようなことですが、当時の宮廷女性には、月2回3日ずつの「洗髪休暇」が認められていたと言われています。

 

江戸時代の洗髪は、一般的には湯で溶かした「ふのり」の中にうどん粉を入れ、熱いうちに髪へすり込んで髪に付着した油や臭いを落としていました。
寛政5年(1793)に書かれた『取組手鑑』という洒落本によれば、遊廓内では「毎月27日が洗髪日」で庭に置いた大釜に湯を準備し、みんなで一斉に髪を洗っていたようです。

 

また、文化10年(1813)に出された『都風俗化粧伝』によれば、一般の女性の洗髪は月1回か2回程度だったようですが、汗と油で髪が臭くなる夏の暑い時期だけは、たびたび洗ったほうが良いということも書かれています。さらに、1837年(天保8年)に書かれた『守貞漫稿』によると 、江戸の女性は月1回か2回の洗髪をするが、匂油を用いたり香をたき込めたりすることはないと書かれています。